高ストレス者とは?
高ストレス者の判定基準
ストレスチェックによってストレス度が極めて高いと診断された労働者のことを、「高ストレス者」と呼びます。では、高ストレス者の判定基準には具体的にどういったものがあるのでしょうか。
高ストレス者の判定基準の判定方法は主に2つあります。
1つ目は、衛生委員会での調査審議をもとに判定する方法です。産業医など、メンタルヘルスの専門知識を持つ専門家の意見をもとに診断します。
2つ目は、厚生労働省の数値基準に基づいて判定する方法です。厚生労働省の「職業性ストレス簡易調査票」のチェック項目をもとに判定します。
「職業性ストレス簡易調査票」には、大きく「心身のストレス反応」「仕事のストレス要因」「周囲のサポート」の3項目が設定されています。例えば仕事に関する質問では、「非常にたくさんの仕事をしなければならない」「高度の知識や技術が必要なむずかしい仕事だ」などの質問に、「そうだ」なら1、「まあそうだ」なら2、「やや違う」なら3、「ちがう」なら4に丸を付けていきます。これらの質問の回答結果が点数化され、ストレス度合いが判定されます。その結果、
・「心身のストレス反応」の評価点数が高い
・「心身のストレス反応」の合計点数が一定以上かつ、「仕事のストレス要因」「周囲のサポート」の合計点数が著しく高い
上記のいずれかに該当すると、高ストレス者と診断される仕組みです。点数の基準は事業者が柔軟に決められるよう、明確な数値は定められていません。
また、調査票の3項目ごとに計算した点数を尺度ごとに5段階評価に換算して点数の合計・平均を決める、素点換算表を使う方法もあります。
高ストレス者への対応方法
高ストレス者と判定された労働者に対し、事業者はどう対処するべきでしょうか。
重要なのは、医師・産業医による面接指導です。ただし、面接指導はあくまで高ストレス者と診断された本人から申し出があった場合で、強制はできません。実際、面接指導をためらったり面倒だといって放置したりするケースは多いようです。事業者は面接指導によるメリットを周知したり、面接日を複数設定したりして、高ストレス者が面接指導に臨みやすい環境をつくる必要があります。
面接指導後は、医師や産業医の意見をもとに高ストレス者へのフォロー方法を検討します。ストレスの原因が何なのかを突き止め、解決につながるような就業上の措置を行うことが大事です。
高ストレス者を放置するリスク
高ストレス者と判定された労働者がいるにも関わらず、面接指導を希望する意志がないなどの理由で放置してしまうと、さまざまなリスクが発生してしまう可能性があります。
可能性として挙げられるのは、メンタルヘルスの低下による心身の不調です。仕事のパフォーマンスやモチベーションが低下すると、うつ病などを発症するリスクが高くなるといわれています。仕事の継続が難しくなった場合、休職や退職せざるを得ない状況に陥ることもあるため注意が必要です。
高ストレス者を放置した結果何らかのトラブルが発生した場合、「何の対処もしてもらえなかった」と労働者から民事訴訟を起こされる可能性もあります。
このように高ストレス者を放置すると、労働者はもちろん、会社も大きなダメージを受ける可能性があります。そうならないためにも、ストレスチェックの重要性を認識し、メンタルヘルス問題と真摯に向き合う姿勢が大事です。
派遣社員もストレスチェックをしよう!
当ウェブサイト管理人は職場でのストレスに悩まされることが多く、そうした経験を活かしてストレスチェックに関する仕事を行うようになりました。現代の日本では多くの方がストレスに晒されているため、多くの人にストレスから身を守れるように知識をつけて欲しいと思います。なお管理人への連絡はこちらの<メールフォーム>宛にお寄せください。
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